鋳物師たちへのオマージュ
2018.05.20
鋳物師(いもじ)たちへのオマージュ

川口駅西口の公園にある鋳鉄製のモニュメント。これはフランスパリで活躍する岸田亮二氏の作品である。1992年の製作なのでもう26年も経っている作品、当時モリチュウで制作に関わらせてもらったので大変思い出深い作品である。 

この作品の魅力は、鋳鉄のダイナミックさと素朴さ、そして緻密さが共に伝わってくることであろう。鉄が主成分である鋳鉄は素材そのものが力強い。また、鋳物は一度液体になるのでその流動性を生かした造形が可能であり、このモニュメントのように帽子や軍手、作業着などのリアルな表現も可能になる。

また、これは経年変化による鋳鉄の錆を生かした数少ない作品でもある。鋳鉄は一般的な鉄と違い時間が経っても腐食が進まない。その為いつまでも堅牢さを保つ。素材の特徴を熟知した作家だからこそ創作出来た作品ともいえる。

このモニュメントは、普段目に触れないところで大切な役割を果たしている「鋳物」たちと、それを作る「鋳物師」たちへのオマージュでもある。







2018.05.20 20:55 | 固定リンク | アートシーン
ザ・グレイテスト・ショーマン
2018.05.13
日曜日はアートシーン

今日は最近大ヒットしている映画、「ザ・グレイテスト・ショーマン」について書きたいと思う。

かなり多くの人たちが既に観ていると思うが、素晴らしい音楽とダンスが織りなすエンターテイメント性の高さに加え、高い夢を持ち続けることの大切さなど、様々なメッセージを投げかけてくる、非常に感動的な作品である。

そのメッセージの一つに「アートのあり方」についての投げかけがある。当時主流だったクラシック音楽やバレエなどが真の芸術であり、それらは「高貴な人達の楽しみである」と言うのが片方の見方。それに対して、様々な特長(というかユニークさ)で対抗したのがビーティバーナムの、見世物小屋である。そこで、人はそれぞれ違っており、それが良さがあり、その人の価値であると言うヒューマニズム的主張を投げかけている。

要するに、「芸術は何のために、だれの為にあるのか」という問いかけである。これに対する答えを、バーナムは映画の最後で語っている。

The noblest art is that of making others happy. P.T.Barnam
(最も高貴な芸術は他人を幸せにすることである。ピーティーバーナム)

芸術は「グレートギャッツビー」や「肩をすくめるアトラス」とかに出てくる鼻持ちならないえせ高貴な人達の優越感を満たす道具ではない。クラシックであろうと、見世物小屋であろうと、純粋に人を幸せにするものが、真の芸術であると言っている。

私はこの考え方に全幅の賛意を表明したい。


2018.05.13 21:48 | 固定リンク | アートシーン
とあるビルの壁面を見て・・・。
2018.05.06
この写真は2016年12月19日に撮影したものである。東京都内のとあるビルである。確か日本橋近辺であったような気がする。なぜ、撮影したかというと、数パターンの縦縞模様のファサードがリズミカルに配置され、とても美しかったからである。美しいというか「かっこいい」という表現の方が適切かもしれない。

まず、ファサード文様の組み合わせパターンがとても美しい。また、縦ラインのパターンが異なるため、微妙な陰影の違いがでる。そして、陰影そのものが、リズミカルな模様となり美し。光が当たると様々な表情を見せる。それがまた面白い。構成はシンプルだが、実は複雑なパターンの組み合わせである。考え抜かれている。

縦に伸びるイメージは建物全体をスッキリ見せる。以前ボンズ工房の赤川氏が「アメリカの建物の窓はみんな縦長なんだよ、だからカッコいいんだよね」と言っていたのを思い出した。確かに、縦縞の模様の方が、横縞よりもスッとした感じがする。

この壁面はコンクリート成形なのか、アルミ鋳物製なのかは見ただけでは分からない。しかし、コンクリートの場合ここまでスッキリとした表情が出せるだろうか・・・? もし、鋳物製であれば、面白いなぁ。





2018.05.06 21:52 | 固定リンク | アートシーン
横浜のガス灯
2018.04.29
 横浜は1859年に開港した港の一つ。その年は安政の大獄があった年で、日本国中が大混乱をしていたころであろう。その後明治維新となり、外国の文化が入ってきた。そして1972年に馬車道通りなどにガス灯が点灯した。

 先日、横浜に行った際にたまたま通った「横浜都市発展記念館」にあったガス灯(写真)。これに思わず見とれてしまった。

ベース部から柔らかい溝がゆるやかな曲線を描いて上部に向かっていくエレガントな支柱。
デザイン全体にメリハリをつけるために美しい植物文様をあしらったアーム部(ちなみに、アーム部はガス灯を点灯する際にハシゴをかけるために必要だったとか・・・)。
機能とデザインのバランスが絶妙の灯具。
とにかく美しい。
そして、支柱とアームは鋳物でなくては表現できないデザインである。

 機能ばかり強調される昨今、一見無駄とも思えるデザイン。しかしこれが人の心を豊かにし、幸せにする。街を美しく。この役割を担うのは「街のアクセサリーを創造する」をコンセプトにするモリチュウであると改めて感じた。



2018.04.29 13:49 | 固定リンク | アートシーン
日曜日はアートシーン「ニホニウム通り」
2018.04.22
日曜日はアートシーン

 理化学研究所(理研)の森田浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究グループが発見した「113番元素」。2015年12月に国際機関がに新元素であると認定した。理研は埼玉県和光市にあるが、それにちなみ、和光市は最寄りの和光市駅から理研までの道を「ニホニウム通り」と命名し、あらたに整備された。

 その道には各元素番号が記されたブロンズ鋳物製の路面板があるが、それをモリチュウで制作させていただいた(これについては後日ご紹介します)。また途中あるポケットパークには元素周期表の中で輝く「ニホニウム」をあしらったモニュメントレリーフも製作させていただいた。こちらはお話を聞いた瞬間に頭に浮かんだデザインで、個人的にも気に入っている。

 道路整備は和光市の予算に加え、多くの方のご寄付で進められた。この取り組みは公共性の高い工事にいわゆる「クラウドファンディング」、つまり決められた目的に対し寄付を募るということで埼玉県でも注目されているとのこと。先日寄付者の名前が刻まれたプレートがはめ込まれ、モニュメントが最終形を見た(ブロンズ鋳物のレリーフは昨年に設置済み)。その式典が昨日行われた。ちなみに弊社会長の森敬介の名前もあった。

 世界的快挙に関連する仕事をさせていただいたことは、モリチュウにとって大きな誇りである。

※写真があまり良くなくてすみません・・・。

 

2018.04.22 21:04 | 固定リンク | アートシーン

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