ピクトサイン
2018.10.21
日曜日はアートシーン

あるビルの中で見かけたピクトサインである。「車いす可、オストメイト、おむつ交換ができる」ということで通称「誰でもトイレ」とも言われている。

街で見かけるピクトサインはとても面白い。東京オリンピックの時よく見る一般的な男女のトイレマークがデザインされたとも聞いたが、ピクトサインは日本人はもとより、外国人にとっても分かりやすいサインである必要がある。そのため様々なところで様々なデザインがされている。似たようでちょっとひねったデザインであったり、ユーモラスなデザインであったりするので、よく観察すると様々な発見がある。

このサインは鋳物ではなくステンレス製でレーザーカットをしたものである。しかしレーザーカットはそれほど厚い板をくりぬくことは出来ず、実際出来たとしてもコスト的に現実的ではない(時間がかかりすぎるからである)。このサインの外側の枠の部分は厚みがあるように見えるが、これは板を重ねて厚みを出している。これが結果的にデザイン性を増している。

ピクトサインの製作方法は千差万別である。先日、川口の新市立高校で鋳物製のピクトサインを取り付けたが、鋳物はより立体的な表現が出来るのでそれはそれで面白い。

デザイン×製造方法=無限大・・・と考えると、ピクトサインは面白く、そして奥が深いと感じる。







2018.10.21 20:55 | 固定リンク | アートシーン
鋳物の街路灯
2018.10.14
オレゴン州セーラムにある鋳物の街路灯である。

オレゴン州はアメリカ西海岸にある。シアトルのあるワシントン州とカリフォルニア州の間に位置する春から秋にかけて非常に気候が良い場所である。そのオレゴン州の州都がセーラム。そこに立ち寄った時に撮影したのがこの街路灯である。

鋳物の街路灯であるためレトロな雰囲気はあるが、いわゆるコテコテのデコラティブとは違う比較的スッキリしたフォルムである。しかし細部に目を配ると鋳物ならではの表現が沢山みられる。特に「州のマークの鋳出し」や「ハカマ(照明灯下部の太い部分)からポールにかけての曲線」、そして「ポールの縦に伸びるスリット」などがそれに当たる。そして表面の塗装がやや劣化をしているが、風景の中に溶け込んでいる。これも鋳物の特長の一つである。

街路灯だけで街が形づくられるわけではない。この写真から見てもわかる通り、街路樹、周囲の建物、電線の無い道路など様々な要素が合わさって美しい街が構成される。まさにコーディネートの力が試されるのである。

ちなみに、この美しいフォルムは地震の無いオレゴンだからこそ出来るデザインかもしれない。そういう意味では残念ながら日本の街づくりはどうしても保守的にならざるを得ない。

2018.10.14 20:51 | 固定リンク | アートシーン
マンホール
2018.10.07
日曜日はアートシーン

最近は、全国各地域のマンホールの写真を集め、インスタグラムなどで発表をしているなど、結構なマニアがいるらしい。そのマンホールは鋳物の代表選手であり、一般の人が最も目にする身近な鋳物であるとも言える。

マンホールの無い町は無いため、各地域で様々なデザインのマンホールがあることはマスコミの報道でよく知られているところであり、町のアピールにも一役買っている。そのため各自治体は皆デザインにはとても力を入れている。広島には広島カープのマンホールもあるし、高知県には「アンパンマン」のマンホールもある。「アンパンマンホール」と呼ばれているかは定かではないが・・・。このように多種多様なデザインを可能にするのは鋳物の豊かな造型性のなせる業である。

私の地元川口市でよく見かけるのは下の写真のようなデザインのマンホールである。中心に市の花である「てっぽうユリ」をあしらい、その周囲には格子状の文様となっている。そしてこの文様のデザインの特徴は縦横のラインが織りなすようになっており、造形性の高さを表現するとともに、滑り止めも兼ねている点である。これこそ鋳物でなくては表現できないデザインである。私はこのようなデザインを見ると心ワクワクするとともに、さすが鋳物の街川口のマンホールであると誇らしく思いながら毎日市内を歩いているのである。

ちなみに、名古屋のマンホールのデザインはとてもユニークである。いつかご紹介をしたい。

2018.10.07 20:17 | 固定リンク | アートシーン
豊海小学校
2018.09.30
一昨年に施工を完了した、東京都中央区豊海小学校である。

写真をよく見てほしい。正面からみると、ほとんど縦格子の単純な門扉に見える。しかし斜めから見ると波模様が浮き出てくる。縦格子の形状を工夫することでこのようなデザインが可能となる。つまり門扉の前を歩いて通ると、一歩ずつ門扉の見え方、つまりデザインが変わってくる。

時々同じような見え方をするガードレールなどがあるが、これは二次元の世界の話。鋳物は3次元の世界であるため立体的であり、その変化する姿のダイナミズムが全くちがう。普通の絵本と、飛び出す絵本の違いに近い感覚であろうか。

鋳物と言うとデコラティブなデザインであったり、コテコテの唐草模様のデザインを想像する方も多いが、それは平面的な世界の話し。視点を変えると鋳物の面白い使い方が見えてくる。これはその事例のひとつであろう。

ちなみに、デザインの基本コンセプト設計は森雄児である。



2018.09.30 21:45 | 固定リンク | アートシーン
アルミ鋳物の表現
2018.09.09
日曜日はアートシーン

これはある場所のレリーフを製作した際に、現物見本として製作をしたものである。先日の「お魚さん」でもアルミ鋳物が使われているが、やはり、素材の特徴(そして、製造方法の特徴)をよく知らないと適切なアートを生み出すことは出来ない。

この写真には、アルミ鋳物独特の表現がすべて盛り込まれている。ベースの板にはテクスチャーを入れ、そこに少しふき取りを行うことで、凹凸感を際立たしている。「葉の形」は、凸部分に磨きをかけ全体から更に浮き出し強調されている。葉脈も少しだけ凸にし磨きをかけることでしっかりと存在感を強調、葉全体の立体感を更に強調している。いわゆるこの「いぶし」の表現により、何とも「秋らしい」イメージが感じられるのではないだろうか。

アルミ鋳物に限らず、素材と仕上げ方法をより理解をした上で、様々な建築やランドスケープを演出してほしいと思う。その為にはしっかりとその特徴を伝える努力を惜しまないようにしないといけない。是非鋳物という素晴らしい造形技術に対し、多くの方に興味を持っていただきたい。


2018.09.09 20:16 | 固定リンク | アートシーン

- CafeNote -