社長ブログ

2018.09.04

奇跡の社員(9)

日本側の受入病院もみつかり、支払いも完了し、全ての段取りが終了した。やっとの事で、Hを日本に帰せる、と思って一安心したが、ここでもう一つ、とてつもなく大きな問題がでた。

なんと「飛行機が飛ばない」との連絡が入った。天候は問題ない。理由は分からない。なぜ?・・・。お金は振り込んでいる、理由も分からす飛行機が飛ばない・・・。「まさか」とは思ったが、よからぬ事を想像せざるを得ない状況だ。急いでいた為、相手の会社に行ったわけではない。業者の相手とは携帯でのやりとり。そして飛行機が飛ばないという連絡があった以降、電話が通じない・・・。冷静に考えて「振り込め詐欺・・・」。疑うに十分な状況だ。「オレ、やっちゃったかも・・・?」。完全に力が抜けた。

金曜日の午後2時以降、全く動きが無くそのまま夕方になり、その日はホテルに戻った。Hの家族にもどのように説明していいか分からない。悶々とした一夜を過ごす。

翌日の朝、つまり私の帰国日になっても状況は変わらない。土曜日ではあったが領事館に電話をして状況を伝え、確認したが、担当者は「良く使われている会社なので大丈夫だろう」とのこと。その後「もし何かあればまた連絡してください」とのこと。この言葉は、切羽詰まった状態の私には非常に嬉しかった。

そうは言ったものの、チャーター機は飛ばない。そんな状態の中、帰りのフライトの時間が近づく。あとは現地スタッフのKに対応を委ねるしかないと腹をくくり、割り切れない状況のままで奥様とともに帰国した。