社長ブログ

2019年07月

2019.07.28

京都駅の照明器具

京都に行った。

その時に撮影をしたのがこの京都駅の照明器具である。
以前にも気になっていたが、今回改めて見てみるとやはりいいデザインだなぁと思ってしまう。

本体の素材はアルミ鋳物で、ステンレスの部材が組み合わされていると思われる。
表面は単純な透かしの格子模様であるが、ポイントは透かしでない部分の配置の仕方。それを適切に配置することで、なぜか花模様の様にも見えてくる。これは裏面に光があるからこそなせる技である。
そして、ステンレス部材のシルバーの光が全体に緊張感を与え、間延びしないイメージを作る出している。

デザインをする上で大切なのは、照明器具のみでデザインを考えてはいけないということ。それだけが浮き上がってしまい、全体最適にならない場合がある。今回の場合の様に、ベースの石と光源の色と、器具のデザインがすべてバランスが取れていることが大事。時には「モノ」が脇役になることも考えなくてはいけない。

いずれにしても、この照明器具は、空間全体にマッチした京都らしい和と華やかさを同時に感じさせるデザインだと感じるのである。

京都駅の照明器具

京都駅の照明器具

2019.07.21

「闇営業事件」で思うこと

今後は隔週で「つぶやき」と「アートシーン」を載せていくことにします・・・さて・・・。

吉本興業と雨上がり決死隊の宮迫氏をはじめとした闇営業のことが話題になっている。

ここで、どちらが良いとか悪いとかを書くつもりはない(もちろん反社会的とのつながりは容認できることではない)。ただその中でとても興味を引く発言がいくつかあった。

一つは、どなたか忘れてしまったが、「俺たちは、吉本の先輩たちに憧れてこの業界(あるいはこの会社)入ってきた」と言う発言である。今、新卒採用が非常に難しい時代ではあるが、素晴らしい先輩、カッコいい先輩たちがいることが、採用にも大きな影響があると言える。一番身近な先輩は採用担当者、そして会社に学生さんが来た時に会う社員たち。採用担当者をはじめとした社員たちがカッコいい存在であるよう、社員を育てないといけないということである。

もう一つ、ビートたけしの「オレら芸人は猿回しの猿と一緒。猿が噛んで、猿に謝れって言ったってダメ。飼っている人が謝るんだよ」という発言。これは正論である。会社で社員がお客様にご迷惑をおかけした時に、「これは社員が勝手にやったこと、オレは知りません」と社長が言ったら周囲はしらけるし、社員は会社をやめていくでしょう。

こういう状況を作り出さない唯一の方法は、「必死のコミュニケーション」を取っていくしかないのだと改めて感じた次第である。

2019.07.14

美しい灯具

この灯具は川口市内にある大泉工場の事務所に付いている物である。

大泉工場は、元は鋳物工場と機械加工工場を持ち、伝動機などを製作していた会社である。今では、当時から事業としておこなっていた倉庫賃貸業を始め、ポップコーンを中心としたFUN FOOD事業、ジュースを中心としたORGANIC事業、そして敷地内とバーベキュー会場として開放をしたり、定期的にマルシェを開催したりと、非常に多岐にわたりユニークな事業を行っている。

その大泉工場のオフィスは、敷地内にある洋館の中にあるが、その入り口にあるのがこの照明器具である。

大谷石(多分)と白御影石で構成された重厚感のあるエントランスにさりげなくついているが、シンプルな円筒状の灯具に横3本のラインで構成される装飾が非常に映える、シンプルかつ品のあるデザインとなっている。そして近くで見ると手作り感が感じられる鍛鉄製となっており、それが背景の石の重厚感に負けないバランスを保っている。

この灯具は、このエントランスの為にデザインされたものであることは間違いないと思う。そしてシンプルな灯具から見えてくる品格が、大泉工場をそのものを語っているように感じる。
美しい灯具

2019.07.13

理想の経営者

そうそうめったに経験できるもんではない・・・そういう経験をした。

フィクションの世界にでもありそうな瞬間。
神(その神が具体的に何であるかは重要ではない)が曇天の中の水面に立った瞬間に、
水面のはるか向こうまで真っ直ぐに続く道が現れ、その道の先は、まばゆい限りの明るい光に満ち溢れている。
そこを人々が笑顔とエネルギーに満ちた姿で意気揚々と歩いている。
まさにその瞬間を見た。

ここに、テクニック的なことは何もないし、あったとしても書くべきではない。
なぜならば、それを小手先でおこなっても意味がないからである。
ただ、一つ言える真実は、長い年月の積み重ねが、その瞬間を可能にしているということである。

すばらしい瞬間を共有させてくれた「北関東発一等星企業」に感謝申し上げます。

2019.07.07

マーボ君

この作品は、石川雅興(いしかわまさとも)さんの作品である。
通称「マーボ君」と呼ばれている。
銅板鍛造を主とした作品を制作しているが、モリチュウとゆかりの深い「赤川政由」さんの弟子でもある。

非常に素朴な人柄ではあるが、その奥には熱くたぎるエネルギーを感じさせてくれるマーボ君は、なんとも不思議な宇宙船をお煎餅にしたような造形を和紙を織り交ぜてく作ったりしているが、最近は様々な試行錯誤を通して、独自の世界を生み出している。

和のテイストを前面に出した「葉」の作品は、細くか弱い印象にも感じるが、実はその場の「空気感」を一瞬に変えてしまう強さがあある。「静謐」という「音」を感じさせてくれる作品である。そしてその作品本体のみではなく、壁に映りこむ影が作品の一部なし、より奥深さを感じさせてくれる。ある意味哲学的な作品ともいえる。

アーティストとして最も誇り高い誉め言葉は、「見ただけであたなの作品と分かる」ということらしい。赤川さんの弟子という称号が取れるステージまでほぼ来ているのではないかと感じる。「守破離」という言葉があるが、離の境地へ近づきつつあるのか・・・。

マーボ君はまだまだ若い。今後更に応援したいアーティストであると同時に、「離」に到達しつつも、師匠をいつまでも敬う気持ちは忘れないでほしいとも思う。
マーボ君

マーボ君