社長ブログ

2019.03.31

天王洲アイルの手摺

日曜日はアートシーン

この写真は3月26日の日本経済新聞に掲載されていたIBMの広告である。外国の風景にも似ているが、ここは品川区にある「天王洲アイル」である。

なぜこれを今回選んだかと言うと、この女性がよりかかる防護柵がモリチュウ製であるからである。随分前の製作、もう25年くらい前になるだろうか・・・全体の風景に馴染みながら今でもしっかりと存在感を以て景観を作っている。

当然鋳物製であるが、支柱のみならず、横桟も鋳物製というこだわりようである。そして、これは当時設計をしていたRIAの山田様のこだわりであった。ウッドデッキと水辺と鋳鉄のシンプルな手摺・・・広告に使われる位なので、デザイン的にも一定の評価を得ているということだろう(以前はテレビドラマでも良く使われていた)。

しかし、今このような手摺を作ろうとすると非常に困難が伴う。技術的な話ではない。理由は、縦格子でないと許可が下りない場合が多いからである。しかし、縦格子では風景にはなじみずづらい。

外国では横桟だけの手摺もたくさんあり、全体の景観に溶け込んでいる。もう少し安全に対する自己責任という認識が広がれば、デザインの幅が広がり、景観はより美しくなるであろう。これは民度の問題にかかわることでもある。
天王洲アイルの手摺