社長ブログ

2018年08月

2018.08.20

Siri

皆さんSiriはすでに知っていると思う。

i-phoneに話しかけると、言葉を理解して答えてくれるかわいい奴である。’Hi Siri’と話しかけると「はい」、素直に答える。ところが、日本語やほかの国の言葉を理解するだけでなく、音楽もしっかりと聞くことが出来る。

今年の夏、息子と飲食店に入った時にBGMが流れていた。その時息子が「この曲いいなぁ、なんだろう」と言って、Siriに「この曲を教えてください」と話しかけその天井にI-Phoneを向けBGMを聞かせたところ、見事にその曲を表示した。そしてその曲を再生すると、全く同じ曲であることが分かった。

そして、先日運転をしながら珍しくNHK-FMを聞いていたらとても素晴らしい交響曲が流れてきたので「お、これはいいなぁ」と思い、MCの曲紹介を聞いていた。しかし、ベートーベンの曲でクリーブランド管弦楽団ということは分かったが、詳細は分からなかった。そこで曲の途中でSiriに「この曲を教えてください」と伝えラジオから流れてくる曲を聞かせたところしばらく考えたあと「歌曲フィデリオ OP72」と答えた。これだけではそれ程驚かないが、「クリーブランド管弦楽団」という演奏楽団まで言い当てたのである。きっと、ベートーベンの曲であるし、「歌曲フィデリオ OP72」は他の楽団も演奏をしているのではないか。その中で、演奏楽団まで正確に聞き分けられることに驚いた。これもAIの進歩なのだろうがいずれにしてもその進歩の度合いはすごいと改めて感じたシーンであった。

先日また分からない曲があったので、「この曲を教えてください」と私が歌ってみたところ、「これはわかりそうにありません」との答え。確かにSiriの進歩は目覚ましいが、「まだまだだな」と思った。

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2018.08.19

レオナール・フジタ

レオナール・フジタこと藤田嗣治の没後50年を期して「藤田嗣治展」が東京都美術館で開催されている。

実は今から12年前に没後120年を期して東京国立近代美術館でやはり藤田展が開かれていた。その時私は観に行っており、「カフェ」のポスターを購入した。そのポスターは今でも家の壁に飾ってある。

藤田は1920年代にフランスのエコールド・パリ(パリ派)の活動に参加をしている。そこで独自の画風に磨きをかけていったようである。エコールド・パリの活動ではボヘミアン的生活が主であったらしく、自由な表現を追求する時代背景の表れなのであろう。

フランスに渡った藤田ではあるが、やはり根は日本人である。その画風には和の要素がにじみ出てくる。特に藤田の絵の特徴である「乳白色の肌」と「輪郭」を描く画法は当時のヨーロッパの画壇ではセンセーショナルであったはずだが、これは浮世絵からの影響であることは間違いない。そして影を強調することなく立体感を表現する方法も浮世絵から来ているのだと思われる。

また、藤田の画題は独特の表情の少女が有名であるが、同時に「猫」も有名である。この猫の動きはリアルでその描写と表情は本当に「見事」としかいいようがないが、そこには鳥獣戯画の影響があるように思えてならない。

晩年はフランスに帰化した藤田だが、日本をこよなく愛した画家である。開催中のポスターにはこのような文字が飾っている。「私は世界に日本人として生きたいと願う」。第二次世界大戦の時は戦争画家とし従軍をし、その時の絵も残している。このような藤田の思いを理解しつつ作品を見るとまた面白いはずである。

※開催中の藤田嗣治展のガイドブックは「株式会社本村様」で製本されていました。

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2018.08.18

H君の旅

今日、我が社の社員であるH君が岡山に行った。

彼は模型が大好きで、わざわざ新幹線とローカル線を乗り継いて岡山にある模型屋さんに行くとのことである。何でそんなことを知っているかと言うと、昨日恒例の「社長飲み会」があり、その場で嬉しそうに話をしていたからである。H君はどちらかと言うと人との接する仕事より現場で黙々と働くことが好きなタイプである。決して外にどんそん出ていくタイプではない。しかし、今回は思い切って遠くまで一泊で行くことを決意したという。

なぜ、思い切った決断が出来たのか。もちろん趣味の模型のことでどうしても行きたかったというのもあるが、実際に行動に移せたその背景を自らが語ってくれた。「行きたいなぁと思っていたんですが、遠いしと思ってちょっとだけ躊躇したんです。でも以前にもっと遠くに行った経験があったので、ちょっとまぁ大丈夫だと思って、行くことにしちゃいました」。

少し背伸びをした経験をすると、以前は大変だ、ムリだ思っていたことが簡単に見えてくる。そしてそのことが自信につながり、更に積極性を増すことになる。自分の未知の世界は怖いので躊躇するが、それに対し挑戦をする人が、経験という財産を得て自己成長をしていく。社員には少し背伸びをした経験をさせ、受入れの許容量を増やすようにしていかなくてはいけないと思った。そしてチャンスは与えるが、それを受け入れるかは社員自身の決断。「頼まれごとは試されごと」の精神が明暗を分けるのである。

2018.08.17

組織変革の要諦

万有引力はどこにでも働く。物は必ず落ちる。なので宙に浮かせるには、何らかの方法を使い浮力を生み出さなくてはいけない。エネルギーが要る。

大気中には酸素があり、全ての有機物は必ず酸化する。地球上であればどこにいても起こる現象である。そして酸化し尽くすと、それ以上は酸化しない。つまりこれ以上変化しないと言うことは、落ち着いた状態、あるいは安定化した状態と言える。

エントロピーの法則にあるように、熱い空気と冷たい空気が混じり合うと最終的に平衡化し、あるところでバランスを取る。この時は、上記同様落ち着いた状態であり、安定化した状態である。別の言い方をすると、活性化していない状態であり、そこから活性化した状態には戻らない。いわゆる不可逆性である。

このことから分かることは、何事も放っておくと安定化し、エネルギーは無くなると言うことである。逆に活性化するためには何らかの方法でエネルギーを創出する必要がある。エネルギーを創出する唯一の方法は、安定を破壊することであり、非平衡化することである。つまり敢えてバランスを崩すと言うことである。これを、組織論の世界で言うと組織を壊す、あるいは乱すことであり、具体的には人事異動であり、配置替えである。これを創造的破壊という。創造的破壊はタフであり疲れるが、安定を崩しているので当然である。

会社に創造的破壊を促すもう1つの重要な存在は、実は新入社員である。異物が混入すると動きが生まれる。前向きなエネルギー持った存在が混入すると、前向きな変化が生じる。新入社員は、本人たちは気がついてはいないかもしれないが、存在自体が組織変革エネルギーの源泉なのである。

2018.08.16

最高の「お盆玉」

今日は、名古屋から家内のお父さんとお母さんが我が家に来てくれた。実は我が家は今月13日(3日前)に名古屋に入り、ご両親にお会いした。その時は家内の姉妹(実は4人姉妹である)家族が全員名古屋に集まり、文字通り「なごやか」な時を過ごした。その後の義父、義母の行動が圧巻であった。翌14日に三番目の妹が住む新潟上越に行き、14日と15日の二泊を上越で過ごした。そして今日既に埼玉の川口に来ている。80歳を超えている二人のこの強行軍には目を見張るものがある。

そして、今日は折角なので、ということでウチの両親も含め夕飯を共にした。とにかく爆笑の嵐である。特に先日ガンの手術をした我が父の饒舌ぶりは半端なく、ガンガン飛ばす飛ばす。そんな中で、執刀医であった先生から「あなたはガンのエリート」だ言われれ大変感銘を受けたと言う話を聞いた。なんか「エリート」とか言われると嬉しくなるが、ガンのエリートとはどういうことなのだろうか・・・なんか不思議な誉め言葉である。

よくよく話を聞いてみると、年齢的に抗がん剤は使えないらしいが、そんな年齢にも関わらずしっかり手術を受けることができるのは、年齢の割には体力がある。だから「森さんはガンのエリートなんですよ」ということであるらしい。微妙な表現だが、「なぁ、オレはエリートなんだよ」と本人はご満悦である。

兎に角、両家の両親が仲良く元気に一緒に食事が出来ることは本当に幸せである。今日は最高の「お盆玉」をいただいた。深謝。

2018.08.15

終戦の日

今日は8月15日、太平洋戦争が終わった日である。

日本人としては、この日を重く受け止めることは当然であり、私自身も勿論そうである。そしてこの日に対し様々な考え方の人が様々なコメントを発する。

では、私自身は今日の日のことについて何か語れるかと言うと、かつては色々と思ったところもあるが、今は何もない。その時それぞれの立場で様々なことがあり、時には美談もあるが、悲しいことも沢山起こっている。そしてそれはそれを起こした各人の責に帰せられるかと言うと、当時の極限状態では致し方ないと言わざるを得ない。しかし同時にだから良い、許されると断ずることも出来ないというのも事実である。要するに堂々巡りなのである。ただ一つ言えることは、過去から学び、未来志向で行くしかないのである。そして情ではなく「事」に注視するしかないのである。情はその時の立ち位置で判断が分かれるから公平ではない。

小山さんから学ぶ「情」ではなく「事」を叱れ。
矢島さんから学ぶ「過去は変えられない、未来は変えられる」。

この経営の原則たる言葉が「終戦の日」ほど深く強く感じられることはない。

2018.08.14

Think Week

'Think Week'を知っているだろうか。ある意味有名な話なので知っている人もいると思うが、これは、過去24年間で18回にわたり世界一の富豪の座についていたビル・ゲイツが毎年行っていた習慣である。

彼は、年に2回、隠れ家的な別荘で、日常業務から完全に離れ、思索にふける週を設けていて、それを'Think Week'と呼んで大切にしていた(あるいは今も続けているかもしれない)。

夏休みは長期的な休みになるので一週間とは言わないが、'Think Week'には適切かと思いきや、そうは問屋が卸さない。まず、世間が夏休みモードで落ち着いていない。そして高校野球もやっていて、目が離せない。また、どこかに一人で行って思索にふけようなんて思ったら、家族から総スカンを喰らいかねない。あからさまに文句は言われないとしても、何となく冷たい視線を背後から感じる。

本当の'Think Week'を過ごそうとしたら、外部からの接触を完全に断つ必要がある。そこで考えた。まず、「成果が出たことをそのまま真似をすることが大事」という前提の元、社員に対しては、「会社がすっごく儲かれば、みんなの給料も上がるから、それを長期的に考える時間を俺にくれ」と説得する。カミさんに対しては「オレが大金持になれば、お前も楽できる」と説得する。だから'Think Week'は必要だと主張する。それでも文句を言われたら「だって、ビルゲイツもやっていたじゃん!」と強硬に主張をする。

そして来年の経営計画書の年間スケジュールに長期休暇をちゃっかり2回入れちゃうということである。まぁ休暇と言ったって、会社のことを考えちゃうのが、経営者だが・・・。

大切なのは、単なる逃亡であると思われないよう細心の注意をすることである。

どなたか'Think Week'にふさわしい場所があったら教えてください。

2018.08.13

腹八分目

腹八分目

夏休みに入っている方も多いと思う。休日をのんびり過ごしている方や、家族サービスをしている方、様々だと思う。さて、このような長い休暇の際に、しっかり体を休めておこうと思うのは当然である。しかし、「これは理想的ではないな」、といつも考えている。

「腹八分目」という言葉がある。もちろんこれは食事に関して良く使われる言葉で、満腹まで食べるのではなく、満腹少し手前位で止めておくのが体には良いという意味である。しかし同時にこれは仕事についても同じことが言えるのではないか。もちろん全力投球で仕事を頑張ることは大事だが、毎日体力の限界まで働いていしまうと翌日に影響が出て効率が悪くなる。これは歳を重ねるほどその傾向が顕著になる。だから、目一杯頑張るのは非効率的な働き方で、本来は80%程度でとどめておくことが最も効率が良い働き方となる。そして、なぜ全力投球で働かないといけないかというと、実はその前の準備不足が原因ということが多い。なので準備をする余裕を作っておくためにも80%の働きが大事なのだ。

頑張る真面目な人ほど目一杯仕事をしてしまい、そして俺って頑張っているって自己陶酔してしまい勝ちである。しかし、ここはひとつ考え方を変え、「明日への備えが出来て初めて全力で働くということになる」と意識をしてみてはどうだろうか。

ただ、元から怠け者の人は当てはまらないので、悪しからず。

2018.08.12

Lamp

思わに所に不意に現れるアーティスティックなシーンがある。

今日は夏休みなので、家内の実家に行った。家内の実家は名古屋にある。夏休みは恒例で実家に集まり今年は総勢20人の親戚縁者が集まった。

それは置いといて、名古屋といえば幾つか名物の食物があるが、その一つが「ひつまぶし」である。普通の人が最初に見ると「ひまつびし」と読み間違えるが「ひつまぶし」である。どのような食べ物かは各自で調べてもらうとして、名古屋駅の駅地下にある「ひつまぶし」のお店に入って目に入ってきたのがこの照明器具である。

照明器具は先日「イサムノグチ」のところでも書いたようにアートの世界が直接的に関係する分野である。この照明器具は、内側に銅の素材の色をそのまま使いながら鍛き(たたき)を施し光の乱反射を演出し、外側は硫化処理(あるいはそれに近い塗装)をした仕上がりとし、あえて目立たない存在にしている。しかし、器具の形状はヘラ絞りとロール曲げ加工を行いながら美しい対称のフォルムを構成している。

照明器具の面白さは、形状だけではなく光の反射というもう一つの要素が加わることである。この照明器具は銅という素材のやさしさに暖色系のランプを使うことで、店の高級感を演出し、その雰囲気作りに間違いなく貢献している。

当然ながら、料理も美味しく感じるのである。

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2018.08.11

イトーヨーカドーからのDM

昨日イトーヨーカドーからDMが家内に届いた。

ペリペリと開けて中を見るタイプのDMなのであるが、それを見て家内が驚いていた。中を見ると6つの商品が紹介されており、すべて20%オフになっているのだが、そこに掲載されている商品がすべて普段良く購入している商品であった。もしかしたら単なる偶然かと思っていたが、ちゃんと「ふだんのお買い物に合わせて特選した商品の『割引券』を6点ご用意いたしました」と書いてあった。アマゾンで「あなたにおすすめの商品はこれです」というのはある意味当たり前になっているが、それはデジタルの世界・・・だと思っていた。しかしDMはアナログの世界。One to One マーケティングがデジタルの世界からアナログの世界に逆輸入をされて来たわけである。

「ふぇーっ」と驚いていたら、大学生の息子が「そんなの偶然であるわけないよ」と言っていた。なるほど、若い人たちの間では当たり前の世界になってきているんだということが分かった。ビッグデータを組み合わせて一人一人のニーズに合わせて対応をしていくことが当たり前になってきて、そしてその動きをAIが促進していくのであろう。

確かに便利である。時間短縮もできる。しかし自分で何かを探し、新しい世界を探求し、意外な自分を発見する機会が失われていくのではないか・・・という心配もある。デジタルやAIの世界が進歩をとげていく程、自分自身の軸をしっかり持たなくてはいけないのであろう・・・と考えている中、家内は喜々として買い物に出かけていった。

やはり20%オフは魅力であった。イトーヨーカドーしてやったり