社長ブログ

2020.11.29

鬼平犯科帳

平犯科帳、言わずと知れた、池波正太郎の代表作である。

今まで池波正太郎の本を読んだことがなかった。何かのテレビを見ていた拍子に昔の池波正太郎の映像が出てきて、「そうだ読んでみよう」と思い、文春文庫の鬼平犯科帳をアマゾンで全巻衝動買いしてしまった。

この鬼平ことの長谷川平蔵の捕物・・・一つ一つの短編物語をここで紹介するには及ばないが、田原町や市ヶ谷など、東京の知っている地名が出ているので何となく馴染み易い。また一つの短編から派生して次の話に繋がっていく物語の広げ方は読む方を飽きさせない。その他、江戸っ子の「いなせなセリフ」や、「小房の粂八」や「蛇(くちなわ)の平十郎」などの名前も面白い。このようなネーミングのセンスはすごい!と今更ながら感じる。それと結構艶っぽいシーンが出てくるのも個人的には嬉しい限りである。

この娯楽小説、なんとも肩の力を抜いて読むことができるし、水戸黄門同様悪党は必ず捕まるのでスッキリして気分がいい(色々と解釈はあるが「三度目の殺人」のようにスッキリしないのは、私は嫌いである)。私にとってはテレビが面白くない現代(いま)のちょっとした息抜きとなっている。

悔やまれるのは、中古で買ったこの全巻が印刷されたのは1994年2月15日(第36刷)で、当時は字が小さく印刷されていたことである。もう少し若い頃ならいざしも、今では読むのに少々難儀するのである。