社長ブログ

2018.08.30

奇跡の社員(5)

ところで、肝心の社員Hの現状はと言うと、すっかり回復をしてフルタイムで仕事をしている。今では月に1回だけ定期健診に行っているが、それ以外は休むこともない。ほぼ全快である。

今後中国の医療事情も交えながら書いていくが、その中には思わず笑ってしまったり、開いた口が「あんぐり」のまま・・・といこともあると思う。現在本人が回復をしているということなので、不謹慎と思わず読んでほしい。

さて、この高額の抗生物質を使うことになったのだが、O社長は「これは、高いよぉ」と言いながら外に出て行った。何しに行ったのかと思ったら、この抗生物質はここの病院にはないので、他の病院に取りに行くという。「???」である。事情を弊社中国人スタッフのKに聞くと、中国では治療に使う高価な薬は処方箋を渡され自分で買いに行くのだという。確かに今までもO社長は時々どこかに行き、包帯とかガーゼとかを抱えて帰ってくる姿を見た。「そうか、あれは下の売店と薬局で必要なものを買っていたのか」・・・と後で分かった。そしてO社長はこの時、先生の指示で、指定された抗生物質を他の病院に買いに行ったのである。

更に突っ込んで話を聞くと、どうやら治療費も前金制と言うことが分かった。つまり事前にデポジットを入れて初めて治療がスタートする。そして毎日治療日報が患者の家族に渡されるが、治療が進むと、デポジットが足りなくなってくる。そうすると看護師の方が、「デポジットがなくなりそうなので、追加の支払いをしてきてください」と言われる。そして支払いが出来ないと、そこで治療が終了となる・・・。

私は気が付かなかったが、Kの話ではこのデポジットが払えずICUから出て行った方もいたとのこと・・・何ともむなしいが、これが現実であった(続く)。